さざめく砂粒 すべては星
びー玉がかちこち 空虚がぶつかりあい
しじまの透明の中 音が影を求めている
いま たしかに存在した接触のひびき
とじられた時計圏内ではガラスの秒針が
きっと気のせいさ かちこち でも
もしかしたらと振り返る ひとりの少年
あれは空虚などではなく やはり
るつぼだったかもしれない 砂粒たちの
もはや止められないほとばしり 流星を
のみこみ いびつな痛みをも抱いたまま
さらさらと自らを清めゆく銀河の
冷たく熱い波
さうざんくろすを過ぎて
びりりと微笑を破るさびしい思慕も
しずかすぎる静けさに残された炎となる
(さいはてで君の見つけたひとが
もしもお母さんならば その涙を始点に
もいちど君は生まれ 生きるのだろうか
やむことのない いのちの雨のめぐり
せめて答えて君のレールは今どこなのか
ばつが悪そうに何度もうつむいてた 君
ひとすじきり 流れ 別れ続ける者の
かなしい葛藤 知らず出会ってた一瞬)
りんどうも濡れる黒衣 ゆれる少年の
冷たく熱い風
はてしれぬ時間層の ひとときの開拓者
なもしらぬ行きずり人との はかり得ぬ
つながりに心澄ます ゆえに出会う命
だれひとりをも 切り離さぬ大河を想い
ろうかですれ違う二人の子を結ぶ神秘が
うそと争いとで くらまされぬ願いに
身近ないのち 赤いりんごの
エネルギーの目覚めに
つながることを
祈る
( 2001.7.31 発行「星の文字」 より )
( 2024.4.13 加筆 )