(原詩 downadown「手のひらひとつぶんの」より)
手のひらひとつぶんの – こちら、ドワーフ・プラネット
手のひらひとつぶんの
窓辺が好きです
金色に散るミツバチ
ポットに汲んだ日の光
今日
あたりまえなはずの風景が
つぶやきました
ニセモノノ春ガ扉ヲタタク
ヒダマリガドコカニ
オシナガサレテユク
傍らでは見知らぬ沈黙が
ずるそうに笑っていました
トオクノ悲鳴
風ガアワテテ吹キケシタ
トオク?
言葉が消えてしまわぬよう
意気地なしの私を握りしめる
手のひらひとつぶんの
勇気だけ
いつもポケットに
用意しておきます
( 1984 発行『らふ樹』愛知県立瑞陵高等学校文芸同好会 )
( 2001.7.31 発行『星の文字』 加筆 )
( 2025.2.21 加筆 )
手のひらひとつぶんの(Suno) – こちら、ドワーフ・プラネット
氷の宮殿

冬枯れの野原で、
働き者の小人が作った霜柱の宮殿に
ある晩、雪がふりつもりました。

雪あかりにてらされ、
風にのり、透きとおる氷の姫が
まいおりてきました。

ひとりぼっちでコツコツつるはしを
ふるいつづけた小人は、にっこり。
野は白い雪におおわれても、
もうさびしくはありません、
春までずっと 姫さまといっしょです。
( 2025.1.6~7 小人イラスト作成 Bing Image Creator +加工 )
( 2024.1.14~15 雪と姫イラスト作成 Bing Image Creator )