最初の水紋が
銀河を波立たせ 広がる
はじまりの言葉を沈め
七色の丸窓から シグナルを明滅させて
くもりなくきらめく 多面体
その内部に波立つ 黒水晶の海
夜のなぎさを 裸足で踏んで
水晶海の謎解きへと
泳ぎだして戻らぬ人々
銀の砂浜で拾った巻き貝
つめたい潮騒に 耳を押しつけ
はじまりの声の残響を さがす巡礼
遠くまで反響する 優しい呼び声
近くにいる人には 届きにくいつぶやき
幾百億の言葉の波間を ゆりかごにして
迷い人がどれほど出現したのか
なぜ わたくし達はこんなにも
不器用な生き物に生まれてきたのだろう
( 2010.8.30 ブログ「こちら、ドワーフ・プラネット」より )
( 2023.10.11 イラスト作成 Bing Image Creator )
黎明のほのかな翼 (the-wings-at-dark-dawn.com)